勝敗ってなんだろ?
そんな疑問を考えてみました。
とりあえずバトルに視点を
まず最初にバトルは発表会じゃないと思います。
すごい技やおもしろい技やクリーンな動きをすれば勝てるわけじゃない。
会場を盛り上げたら勝てるわけじゃない。
judgeや会場の評価をもらう為のダンスを踊るのではなく、自分のダンスに自信、プライドを持って相手に見せつけて相手とダンスの会話しながら踊る。
それが最低限根本にある中でjudgeがテクニック含め総合的に判断する。
言葉は汚いけど
お前のダンスはこうだけど俺はこう。
的な自分のダンスに自信を持った自己表現。
じゃあその為に本当に自分が自信を持って踊れる好きなダンス出来てるのか。
皆は自分の才能を全て解放出来てるのか。
そんな話になってきます。
今バトルってjudgeがついて、自分vs相手をjudgeが評価しますよね。
その評価を得るために勝てる練習をする。
それはシーンの成長もあるから今のシーンがあると思うし良い事だと思うし、すばらしい事だと思う。
ただ違和感を感じているのは勝敗ばかりになってる気がする事と、少しbboyがシーンに大切な才能を機械化されているような気がするんです。
僕はまだ若いし、手の届かないような尊敬する先輩bboy達を見てきて育ってきました。
そんな最近ダンス始めた僕でさえも、始めた当初より似たようなbboyが増えてると感じているんです。
勝敗にこだわったシーンが目立つからなのかは分かりませんが、それを後追い、似たスタイルが生まれてる。
そんな気がするのは確かです。
BREAKはルーツの大きな要素にバトルが関係してると思うし、それは外せない確かな事だと思います。
でも勝つから良いbboy?
また少し視点を変えてみます。
僕はスノーボードをしてた事があります。
縁もありオリンピックまわりにいるようなスノーボードのトップシーンのライダーさんと意見交流をしてた時に、
「bboyってバトルだけじゃなく、様々なロケーションで格好良い映像を撮る事が好きでbboyやってる人達がいるとか、格好良い写真を色んな場所で撮影するのが好きで仲間とbboyやってる人達いるとか、それ以外にも。
もっと幅広いんじゃないかな
スノーボーダーは結果以外にも良いライダー沢山いる」
そんな話になりました。
bboyも同じなんじゃないかな?
確かに勝敗は大事な要素だけど、もっと自由だし、ほんとにシーンが広がれば今よりも自分らしい、その人自身の才能を出しきったbboyも今より増えると思う。
よく「勝ち」よりも「価値」って話をします。
優勝しても100回大会あれば結局100人優勝者がいるんです。
1000回なら1000人。
当たり前に勝つんじゃなく初戦で負けても世界で自分にしか出来ないダンスをする。
これが大事。
チームなら負けても
「俺が一番だったよな」
これが大事。
そんな気がします。
好きなダンスをしてもシーンからそれて勝てないかもしれないです。
…でも世界トップの評価されてるbboyは好きな事してきたbboyさん達ばかりな気がします。
その人らしいスタイルばかり。
別に世界のトップクラスのbboyの全員がトップロックが綺麗とか、スタイルがクリーンとかエアーが出来るとかじゃない。
スノーボード話もそうでしたが、勝敗でその人の価値は決まらない。bboyはもっと自由で新しい才能に挑戦してみてほしい。
そう思ってます。
「彼何も出来ないけどドロップのバリエーションだけは世界一じゃん。
彼毎回動き全く同じなのにファッション毎回でるたびに違うファッションでこだわりすぎじゃん。
彼ターンめちゃくちゃ上手いしターンしかしないね。
彼が毎回とる彼のbboy写真より良いbboy写真なかなか
撮れないよね。
彼動き不器用だけど音楽だけは誰よりも詳しくて全部の音楽で全部の楽器に音ハメしてくる。」
ゼロではないですけど今のシーンに、もっと上のような変わった会話が入りだして、そんなbboyが増え始めたら東海は勿論日本おもしろそうじゃないですか?
そして、自分しか出来ない本当に才能を出しきった良いダンスに繋がってくると思います。
話のまとめです。
勝敗は大事だと思います。とくに若い子には勝敗に貪欲になってもらいたい。でも勝敗がすべてじゃないです。
逆に僕たち世代の皆は勝敗は勿論、今のシーンや先輩bboyの皆さんに認めてもらえる自分だけの「良いbboy」になる事が目標なんじゃないかな?
ちなみに僕はbboyでありながら違った楽しみ探してる最中で、今は色々なロケーションで自分の映像や写真を撮って遊ぼうと考えてます。
次回は「脱力」です。